アトピー奮闘記

第17回 免疫、環境、そして心

三男のアトピー体験から、そしてそれとも大きく関連しますが、私が今まで小児科医としてこどもの医療に携わる中で、「免疫、環境、心」がKeyであると感じるようになりました。

1、免疫

こどもの病気は体のバランスをとる力(免疫、神経、ホルモンの作用)が保たれていれば、おきないはずであり、おきてもすぐに治るはずです。たとえば、免疫力が強ければ、体に入ったウイルスや細菌を即座に排除できるし、もし、侵入をゆるして戦いになっても、最終的に負けません。抗生剤や点滴などなかった昔にも、80歳の天寿を全うした人がたくさんいることが、これを証明しています。また、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などのアレルギー疾患は狂った免疫が暴走することに一因することは、皆さんよくご存知です。さらに、命さえも奪ってしまうガンや膠原病も、免疫が正常に機能しておれば、まだ、その芽が若いうちに、即座に摘み取れるはずです。ところが、小児科外来の日常診療の実際を振り返ってみますと、その大半が感染症に対して抗生剤を、アレルギー疾患に対して抗アレルギー剤を処方することに終始しているような気がします。もっと、積極的に子どもの免疫を強化し、狂った免疫を矯正する方法はないものでしょうか。さらに、最近、特に危惧していますが、子どもたちの免疫は年々、ますます弱くそしておかしくなっているように思われます。

2、環境

子どもの免疫がどうして年々弱く、おかしくなりつつあるのかを考える時、どうしても、環境の激変(汚染)という問題にぶちあったてしまいます。身の回りには、ダイオキシンをはじめとする何千何万種類の計り知れない種類と量の環境ホルモンが満ち溢れています。それらは、内分泌(ホルモン)の働きをかく乱し、最終的に免疫を狂わせてしまいます。空気中の排気ガスや煤煙、年々強くなる紫外線、水や土壌や食物中の重金属、有機溶媒なども免疫を狂わせます。それらは、免疫やホルモンだけでなく神経の働きも狂わせて、化学物質過敏症をおこし、はては日常生活もままならぬようになってしまうのです。このような大きな問題を抱えた中で、いったいどのようにすれば、体の働きを正常に保つことができるのでしょうか。地球という閉鎖された系の中では、有害物質をいくら体から排除しようとしても、次から次へと回りからまた体内に入ってくるのです。もっと恐ろしいことに、体が形成されつつある子どもや、さらには胎児のときにこれらの環境汚染物質にさらされると、体に不可逆的な変化が起こり、もはや原因の物質を体から排除しても、もとにはもどりません。

3、心

狂った体調、環境の中で、子どもたちは何を感じ考えて、どのような大人になっていくのでしょうか。私の子どもたちを含めて、彼らが大人になって自分の子どもを持つときに、どのような環境、社会になっているのでしょうか。人が生きて、文明を発展させていく以上、ある程度の環境汚染は避けられません。では、いったい何のために生まれてきて、生きて、子どもをつくり、文明の発展させようとするのでしょうか。自分や子孫たちの生活環境まで犠牲にして、追及していくものがあるのでしょうか。どのように考えて、どのように生きたら、本当の幸せ、究極の幸せがくるのでしょうか。それらのことを子どもたちと向き合い、大人の我々も、もう一度真剣に考え直す時にきています。

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角丸

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