アトピー奮闘記
第12回 天職の発見
アメリカから帰国し、新居浜の十全病院小児科に勤めるようになって、自分は今後、医者としてそして一人の人間として、どのような人生を歩めばよいのかということについて、度々、考え込むようになりました。
その大きな理由は・・・、
1、 アメリカで、今までの自分の価値観と全く違う価値観に基づき、ハッピーに生きている人々を数多く見たこと
2、 三男のアトピー性皮膚炎について深く考えていくと、「地球環境の汚染」という、とてつもなく大きな問題にぶちあたり、これを解決するのはもはや不可能だと感じるようになり、そういう中で、ネットワーク「地球村」 の高木善之さんの考え方に触れたこと
の2つに集約されると思います。そして、しばらく考えて得た結論は、果てしなく転勤の続く大学医局所属を辞めて、一つのところで根をおろし、環境汚染に根ざしたアトピー性皮膚炎などの病気の診療に、一人の子どもが大人になるまで、何年もかけて取り組んでいきたいと思いました。そして、年々増加して、しかも、重症化するアトピー性皮膚炎には、今まで普通のところで学んできた治療法では、もはや太刀打ちできないことも十分わかっていました。そこで、土佐清水病院での研修と、以前から興味のあったアレルギーの治療法である「誘発中和療法」を学ぶために再度、渡米することを決心しました。もちろん、アメリカでは「誘発中和療法」による三男の治療も兼ねていました。