院長からのメッセージ

with コロナの日常診療

新型コロナウイルスの世界的流行(Covid-19)から半年以上が経過しました。
潜伏期(罹っていてもまだ症状が出る前の段階)でも人に感染させること、不顕性感染(罹っていても全く症状が無い)がかなりの割合であることがわかってきました。
これは、症状が全く無い、軽いからといって油断できないことを意味しています。
 
ただ、人がウイルスを保有しているだけでは恐れる必要はなく、そのウイルスが大量に外に出て初めて問題になります。
言い換えると、マスクをして静かにしている人と短時間一緒にいても感染するリスクは低いです。
 
それゆえ日常診療では、待合室のいわゆる「三密」を避けていただくことが重要と思います。
もちろん、換気と空気清浄機は必須です。
待合室・中待合室はかなり広く造ってありますので、たとえ10組くらいの入室があっても十分距離をとって待っていただけます。
しかし、院内滞在時間は15分以内、待合室は常に2~3組が理想と考えています。
そのために時間厳守の完全予約制でお願いします。
状況によっては、予約時間通りに来られても、入室を待っていただきますので、ご了承ください。
電話やLINEを利用してのオンライン診療も積極的に行っていきます。
 
舌下免疫療法・喘息・食物アレルギーなどの各種アレルギー疾患、低身長、夜尿症、発達障害など、当院にずっとかかっておられる慢性疾患の患者さんが、安心して快適に来院できる環境を整えたいと思います。
予防接種、健診、各種相談なども、今まで通り安心して来ていただきたいと思います。
 
コロナウイルスは一部の特殊例もありますが、基本的に呼吸器感染症です。
ウイルスは鼻水、痰、唾液の中にいます。
そしてそれが外に出てくる一番の原因は、咳とくしゃみです。
ですから、鼻吸引、吸入、ネブライザーなどの処置は、不本意ながら中止しました。
院内にウイルスをまき散らす恐れがあるからです。
特に必要と思わなければ、舌圧子を使って咽を見ることも割愛いたします。
 
これから冬にかけてインフルエンザ流行の季節に入ります。
昨年までは当たり前のように鼻に綿棒を突っ込んでの「抗原検査」をしていましたが、今年は大変な注意が必要です。
この検査はウイルスを外に出す(すなわち院内感染のリスク)ことになりますので、その時点で必要でないと判断した場合には行いません。
インフルエンザだけでなく、RSウイルスやヒトメタニューモウイルス、あるいはアデノウイルス、溶連菌、マイコプラズマなどの検査も同じ考え方です。
症状や経過、周りの状況から診断(判断)をさせていただきます。
そして状況が変われば、「再診」「再診」でお願いします。
 
一方、これらの迅速診断が必要と判断したら、躊躇せず行います。
もちろん、新型コロナの検査も行います。
新型コロナの検査は、抗原、抗体、PCRと3種類ありますが、すべて院内で出来るように準備しています。
抗原検査はインフルエンザの抗原検査と全く同じで、鼻から綿棒を入れる検査で、30分ほどで結果が出ます。
 
PCR検査も抗原検査と同じく鼻から綿棒を入れる検査で、1時間ほどで結果が出ます。
院内でできます。
 
PCR検査は外注する場合もあります。
この場合は鼻から綿棒を入れる検査と、唾液を取る検査の2通りあります。
検査時間は平日の午前中のみで、結果は原則として翌日になります。
抗原検査、PCR検査(院内、外注)は、その時の状況に応じて選択します。
 
(抗体検査は、過去に感染したことがあるかどうかを調べる血液検査で、自由診療です。直接お問い合わせください。)
 
感染症の迅速診断検査を受ける場合は、検査の種類を問わず一旦院外に退出していただき、検査の準備が整ったら検体採取室にお呼びいたします。
そこで、強力な空気清浄機のもと、PPEにて完全装備したスタッフの手で検査を受けていただきます。
そして検査が終わると、即、退出していただきます。
検査の準備が整うまで、長時間お待ちいただくこともあります。
 
点滴が必要な場合は、長時間院内に滞在することになりますので、原則として必ず迅速診断テストを受けていただきます。
インフルエンザ、マイコプラズマ等診断が確定した場合は、従来通りそれに応じた点滴治療を行います。
 
予想された感染症の検査結果が陰性で、しかも点滴を要するような場合は、必ず新型コロナウイルスの抗原あるいはPCR検査を受けていただきます。
もし、新型コロナウイルスの感染が確定すれば、保健所の指示に従っていただくことになります。
新型コロナウイルスの感染が確認されなかった場合は、従来通り院内で点滴治療をすることも可能です。
 
以上、検査から治療まで当院の方針に従って段階的に行っていきますので、ご協力をお願いいたします。
 
新型コロナウイルスは本当に不可解です。
私自身、幸いにも未だ経験したことはありませんが、出ている情報を総合して考えると、ほとんどの子どもや若い人にとっては恐れることのないウイルスだと思います。
でも、一部の人にはなぜか大変恐ろしいウイルスとなります。
 
そして、最初に予想したよりすごくゆっくりしたスピードですが、確実に私たちの身の回りに迫って来つつあります。
そのうちワクチンも出来てくると思いますが、おそらく今あるインフルエンザワクチン以上のものではないはずです。
すなわち、一発で完全に感染を予防できるものではないでしょう。
特効薬にしても然りで、出来たとしても、今のインフルエンザの薬(タミフルやリレンザなど)と同じで、すべての感染者を一発で根治させるものではないでしょう。
 
今後、徐々に(特に田舎はゆっくりと)日常診療だけでなく、日常生活もwithコロナとなっていくと思われます。
それを念頭に置いて、毎日気をつけながら診療を続けていくしか、道はありません。
ですから、皆様方も診療に対してのご協力をお願いいたします。
 
そして、最終的にはインフルエンザや、今までの普通のコロナウイルスのようになっていくでしょう。
すなわち、完全に避けることは不可能で、発症せずに免疫を維持できる程度の数の新型コロナウイルスと、日々折り合いを付けていくことになるでしょう。
30年以上現場で様々なウイルスを浴びてきた経験から言いますと、コツは自分の体調を整えながら、定期的に少量ずつ浴びることです。
決して一度に大量に浴びたらいけません。
正しく恐れ、賢くつき合いましょう。
 
2020年9月25日 記す

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角丸

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